【OSAKA STYLING COLLABO CREATION出場レポート】

大阪靴下組合所属の工場3社と5名のデザイナーがコラボレーションし、製作段階から共に試行錯誤しながらそれぞれの個性が光る靴下を共同製作。サブアイテムになりがちな靴下をキーアイテムにした魅力的なコーディネートを組み、ショーにて発表。コラボレーションの経緯や感想、受賞後の変化について、靴下業界を盛り立てるため意欲的に取り組まれている本川事務局長にインタビューしました。

ファッションデザイナーのセンスでより魅力的に。
スタイリングのキーアイテムとなる一足を目指す。

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ー初の試みとなったデザイナーとのコラボレーション企画。大阪スタイリングエキスポへの参加の経緯をお聞かせください。

一昨年前の2015年にもお声がけいただいたのですが、当時は時期的な関係で準備が間に合わず「新作デザインの展示」という形で参加することになりました。その時に、これはせっかくの貴重な機会ですし、次はしっかり準備をして意向に合わせた取り組みをしたいと感じました。そして迎えた翌年の2016年、ご提案いただいた『COLLABO CREATION』への参加を視野に入れ、早めに準備期間を設けて説明会を実施。デザイナーとのコラボレーション企画の趣旨に賛同してもらえる企業を募ったところ、6社の企業から「協力したい」と手が挙がりました。
次に10名のデザイナーからコラボの参加申し込みがあり、商工会議所で面接を実施。「どんな靴下を作りたいか」をヒアリングし、それが実現できる機械や技術を持った企業とのマッチングを図りました。靴下のデザインや形状によって対応できる機械が異なるので、残念ながらデザイナーの意向に沿えず出場を断念した企業もあり、結果的には3社の企業と5ブランドのコラボレーションが決まりました。

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ーそこからいよいよ製作に入るのですね!デザイナーのアイデアを具現化するために、どんな流れで進めていかれたのですか?また、試行錯誤した点についても教えてください。

まず最初にデザイナーに各工場の案内をしながら実際の編み機を見てもらいました。靴下ができるまでの作業工程を把握してもらうことから始め、その後もう一度ヒアリングを実施。そしてその場で具体的なデザインを検討したり、後日具体的なデザイン案を送っていただいたりしました。なかには諦めたデザインもありましたが、即答のNGではなく可能な限り対応できる方法を各工場で模索して、デザイナーの意向に沿えるために思考錯誤しました。 そして双方が寄り添いながら検討し、それでもやはり製品化が厳しいと判断した場合は、別案での提案を依頼することも。デザイナーにも製造工程上実現が難しいことを納得してもらったうえなので、快く再考してくださいました。あとは機械での対応が難しい部分は、デザイナーさんご自身で手縫い仕上げをされていたデザインもありました。

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写真左より、荘司(株)×TY , 中野産業(株)×KIMONO文珠庵, 樋口メリヤス工業(株)×So, 樋口メリヤス工業(株)×momo.co, 荘司(株)×Wimage

ー「ひとつの目的のために共に手を取り合っている」という感じですね。いろいろな試行錯誤を経て完成した靴下が、ショーに出場したときの感想をお聞かせください。

いやー、感動の一言です!スポットライトに照らされて、画面いっぱいに靴下と企業名が出た時は特に感動しましたね。「スタイリングで一番後回しにされがちな靴下がやっと日の目を浴びた」、という喜びで鳥肌が立ちました(笑) 通常であれば洋服の上から下へとカメラが移動し、最後に足元が映されるのに慣れていましたが、今回は主役アイテムとしての登場。ファッションを学ぶたくさんの学生の方もショーに参加されていたので、「私も靴下を作りたい!」と興味を持ってもらうきっかけになってくれていたら嬉しいです。
『COLLABO CREATION』で取り上げていただいた参加企業からは「忘れられない素敵な経験になった」「社内の意識が変わって大変満足」など嬉しいお言葉をたくさんいただきました。参加されなかった企業からも「こんなに素晴らしいイベントなら出場したかった」「次に出場するときはぜひ声をかけてほしい」などの反響があがりました。

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ー大阪スタイリングエキスポ『COLLABO CREATION』での新しい取り組みはいかがでしたか?

靴下業界活性化の第一歩として、とても意味のある素晴らしい企画でした。 ショーだけではなく大きなブースも用意してもらい、2015年のグランフロント開催時とは全く違った見せ方を提案することができました。それに今回の企画では、接点が少ない若い年代のデザイナーとも「ものづくりを通したつながり」が生まれ、双方に新しい発見と刺激があったと感じています。デザイナーからも今回の靴下やスパッツの製作を通して「人のつながりができた」「新しい組み合わせや発想のアイデアも広がった」「自分だけでは生み出せないものが作れることが興味深かった」「ブランドの名前を広げることができた」などの感想をいただきました。今回、繊維の街大阪発のコラボレーションでデザイナーのセンスを発揮していただけて私も大変嬉しく思っています。大阪靴下組合としても取引先にPRできる経験になりましたし、業界活性化に向けて存在感をアピールするために得られたものがたくさんあります。これからも機会があれば出場を重ねたいですね。

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ー最後になりますが、大阪スタイリングエキスポ参加後、大阪靴下組合として、事務局長として、意識が変わられたことはありますか。

大阪のファッションを広めるために開催された大阪スタイリングエキスポに参加したことで、組合の中では「大阪発の魅力ある商品を作ろう!」という気運が高まってきています。今回のコラボレーションやショーへの出場で新しい風が吹いていますので、いい流れを切らさないようアクティブにトライしていきたいですね。
あとは、青年部を再始動して若手経営者たちの若い感性で靴下組合を盛り上げて欲しいと考えています。
私個人としては、今回のショーへの出場を機に、業界活性化のために「一肌脱ぎたい」と言ってくれる企業も増えましたし、どのように取引工場を探したら良いかわからないデザイナーと企業との橋渡しになる存在になりたいと思っています。
今回の参加は「コーディネートをランクアップする重要なファッションアイテム」として、靴下が持つ魅力を広げる活動の第一歩になりました。

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【プロフィール】
大阪靴下工業協同組合/大阪靴下工業組合
事務局長 本川様
2014年5月大阪靴下組合の事務局長に就任。業界振興に関する事業や人材育成並びに品質改善に関する事業、靴下会館運用及び管理事業に尽力。
【大阪靴下工業協同組合/大阪靴下工業組合】
1947年2月、政府の戦後の産業再建策として発令された商工協同組合法の施工により、参加企業62社で大阪靴下工業協同組合を設立。同組合は今年で70年目を迎える。
現在の加盟企業一覧
http://www.kutsushita.jp/html/company.html
【11月11日はくつしたの日】大切なあの人に、くつしたを贈ろう。
http://www.kutsushita.jp/html/knowledge/knowledge_01.html
今回ご参加いただいた企業・デザイナー(五十音順)
【参加企業】荘司(株)、中野産業(株)、樋口メリヤス工業(株)
【参加ブランド】KIMONO文珠庵、So、W image、TY、momo.co
≪大阪スタイリングエキスポ≫
大阪のライフスタイル産業の活性化を目的に年一回開催。学生や新進企業の発掘、ファッションショーや一般消費者を巻き込んだイベントを行い、大阪のモノづくりの魅力を府内外へ広く発信する場となっている。

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