【OSAKA STYLING NEWCOMER SELECTIONグランプリレポート】

2013年から2015年までグランフロント大阪で開催された大阪スタイリングエキスポ「OSAKA STYLING NEWCOMER SELECTION」で、3年連続のグランプリを受賞された『Vero Grazia』。オーナーデザイナーの廣瀬亜紀様に参加のきっかけからグランプリ受賞、未来への展望をインタビューしました。

「服が好き!」から始まったデザイナーとしての道。
逆風を笑顔で進めば、優しい追い風が吹いてきた。

廣瀬オーナー

ーまず最初に、2013年より3年連続で参加された大阪スタイリングエキスポは、廣瀬様にとってどういう存在だったのですか?

廣瀬オーナー:課題発表の場という感じですね。「OSAKA STYLING NEWCOMER SELECTION」は一般の方からの投票にてグランプリが決まるので、真新しさや自分が表現したいという価値感だけではなく、魅力あるスタイリングとして完成させなければというミッションがありました。そういう意味ではVero Graziaらしいデザインを考案ながらも、投票される方々に楽しんでいただくということも意識していました。毎年新鮮な魅力をプラスしたデザインとVero Graziaが創る世界観を具現化できる、とても華やかな課題発表の場でしたね(笑)

Verograzia

ーたくさんの人に見てもらえる貴重な機会ですし、まさに発表の場という言葉がぴったりですね。続いてVero Grazia誕生のきっかけをお聞かせくだい。

廣瀬オーナー:結婚後、子育てをしながら主婦として過ごしていたのですが、19年目にライフスタイルに変化があり、これからの人生をどう生きていこうか考える岐路に立たされました。新しい人生で何か情熱を傾けられる目標を持とうと「自分の中で貫ぬいていけるものは何か」と考えたときに辿り着いた答えがファッションの道でした。
そして方向を見つけた私は、お友達や行きつけのお店などでいつも「洋服を作りたいの!」と、とにかく夢を言葉に出していました。その言葉が大手の生地屋から独立される方の耳に届き、「一緒にオリジナルの服を作りませんか?」と。言霊というやつですね(笑) 願望を口に出しているうちにご縁が繋がって、本当にお洋服を作ることになったんです。
「洋服が好き!」とはいえ、デザイン画の描き方もわからない、生地の触り方もわからない。連れて行ってもらった町工場でイチからではなく、全くのゼロから勉強させていただきました。それが、44歳の頃です。

廣瀬オーナー

ー全くの未経験からいきなりのデザイナー転身ですか!気持ちを前に進めようと行動すると人生は好転させられるのですね。そこから参加するまでの軌跡が知りたいです。

廣瀬オーナー:「自分が一番作りたいものを描いてきてください」そう依頼された時にふと思い出したのが、私が幼い頃から「素敵だなぁ」と思っていた母の洋服のシルエットでした。そこから具体的なイメージを膨らませ、描いた記念すべきデザイン画第1号が一枚のバルーンスカートです。もともと立体的で動きのある洋服が好きだったこともあり、ウエストがシャーリングゴムの裾に丸みのあるデザインで、上品な光沢感のある形状記憶タフタ素材で作りました。スカートの出来には感動したのですが、完成した70〜80点ものスカートを目の前にして「さて、どうしよう」と(笑) そこで、2ヶ月に1度レストランやホテルスペースを借りて販売しているうちに、友人を介してメーカーなどをご紹介いただけたんです。これも人のご縁ですね。そして1年後の3月3日に地元の堺に念願のショップを立ち上げ、オーナーデザイナーとして本格始動しました。その後初めて知り合ったスタイリストさんに大阪スタイリングエキスポの存在を教えていただき、勧めていただいたのが出場のきっかけです。

大阪スタイリングエキスポ出場

ーどんどんご縁がつながって、世界が広がった感じですね。大阪スタイリングエキスポへの出場が決まって、「OSAKA STYLING NEWCOMER SELECTION」では参加初年度の2013年から3年連続グランプリの快挙!まさにシンデレラストーリーです。

廣瀬オーナー:自分のデザインが一般の方の投票でリアルに評価されたことは、本当に嬉しかったです。受賞が決まった瞬間、一丸となって取り組んだスタッフたちと喜びを分かち合いました。正直、ショーへの参加準備は簡単ではありません。持病があるので体調が思わしくないときもありました。ですが大阪スタイリングエキスポという目標があることで、私だけではなくまわりのモチベーションも底上げされブランドとして成長する機会になったと感じています。

スタッフがあらゆる面で支えてくれると信頼感も高まり、各制作工程のスタッフとも意思疎通する中でより強い結束感が生まれました。シルエットの確認や生地感を体感するためのトワールチェックでは、私自身も着用。そしてスタッフに感想を聞き、意見をもらったものは検討してブラッシュアップ。一人一人が服作りと真摯に向き合い、大阪スタイリングエキスポに向けて尽力しました。試行錯誤を繰り返して完成した洋服を見たときは「こんな風になったんだ!」と、みんなとても充実した笑顔を見せてくれました。

Vero Graziaらしい世界観

ー参加意義を共有し、一緒に取り組むということでコミュニケーションが生まれますし、異なる角度からの目線や新しい発想が生まれるのですね。

廣瀬オーナー:そうなんです。新しい発想を形にするためにデザインやコーディネートだけでなく、音楽や演出も合わせて考案していました。テーマや女性像を決めて、Vero Graziaらしい世界観をショーの中で創ることにもこだわりたかったので。例えば2015年は『クラシックエレガンスから現代のモードへ』をテーマに掲げて、代表ルックは1960〜70年代のパリのバールの前で葉巻をくわえて男性を待つ粋な女性をイメージしてトータルコーディネート。他にも「新しいお洋服を買うって楽しいよね!」という女性の気分を体現してもらうために、ランウェイですれ違う際にモデル同士に笑顔でアイコンタクトをとってもらいました。そんな風に想像力を膨らませて、より「自分たちのブランドが放てる魅力は何か」と俯瞰で見つめて考える良い機会にもなりました。

大阪スタイリングエキスポでグランプリ

ー大阪スタイリングエキスポでのグランプリで得たものはどんなものでしょうか?

廣瀬オーナー:一番は、デザインや洋服作りについて何も知らなかった頃から自分の進む道を信じて良かったなと。本当に感激しました!こういう機会をいただけて夢を持てましたし、3年連続グランプリという結果は、これから歩むための自信になりました。壁にぶち当たることもありましたが、前向きに努力していると打破するヒントは必ずあるし、新しい発見もあるんだと確信をもたせてくれました。産みの苦しみもありますが、やっぱりファッションは楽しいですね!

そして一緒に挑戦してくれた家族のようなスタッフたちとの絆も強く実感。これはみんなで手にしたグランプリだなと胸がいっぱいになりましたね。それにブログなどでグランプリ受賞を知ったお客様からもお祝いのお言葉やお花をいただき、お客様が喜んでくださったのも感無量でした。グランプリを機にテレビの取材や新聞で取りあげていただき多くの反響がありました。そしてVero Graziaをたくさんの方に知っていただき、大阪スタイリングエキスポからまた新たな縁がつながり、広がっています。

これからのVero Graziaついて

ーここで得た評価や自信を持って、新たなステージを見据えておられるのですね。それでは最後に、廣瀬オーナーが考えるこれからのVero Graziaついてお聞かせください。

廣瀬オーナー:5周年を迎え、新しいステージの目標として東京や海外への進出も視野に入れながら、自分のペースで次の夢を育てていきたいなと思っています。 女性の美しい所作をデザインで表現して、そこに国内外の良質な生地と日本のものづくりの技術を融合し、made in Vero Graziaの着心地の良さをたくさんの方にお届けしたい。より高みを目指すために視野を広げ、ブライダル系の新しいデザインにも挑戦しているのですが、機会があればまた大阪スタイリングエキスポへ参加したいですね。そして、そのステージでまた新しいVero Graziaの世界観をお披露目したいです。

Vero Graziaオーナーデザイナー

インタビュアー/本條ユウ子

廣瀬 亜妃Aki Hirose
Vero Graziaオーナーデザイナー。ファッション業界未経験から、44歳でデザイナーデビューを果たした稀有な経歴を持つ。「洋服が好き」という直感的な感覚と、美しい景色やアートに触れながら磨いたセンスで、女性を輝かせる普遍的なデザインの洋服を生み出し続ける。今後は、自分のペースを大切にしながら東京への進出や海外展開も視野に入れて歩んでいる。
≪大阪スタイリングエキスポ≫
大阪のライフスタイル産業の活性化を目的に年一回開催。学生や新進企業の発掘、ファッションショーや一般消費者を巻き込んだイベントを行い、大阪のモノづくりの魅力を府内外へ広く発信する場となっている。

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